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2021年シーズンをもって、ホンダF1参戦終了(泣) [-F1]

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 10/2(金)にホンダの八郷社長が、「パワーユニットサプライヤーとしての活動を2021年シーズンをもって終了する」と発表しました(泣)。今回は「撤退」と言わず「終了」だそうです。そして今後のF1再参入は「無い」そうです(号泣)。いままでワタクシはホンダの第二期F1、第三期F1が撤退するのを見てきましたが、「またですか」というのが正直な感想です。

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 八郷社長の言うF1終了の理由は、「2050年カーボンニュートラルに向けて経営資源を集中させる為」だそうです。しかし2050年とは気が長い話です。今年の大卒新入社員が2050年には54才になってしまいます。逆に言えば2050年の世界は今の新入社員が実現する世界とも言えるわけですね。

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 でも実際のところ、ホンダの本音はどこにあるのでしょう。ホンダの4輪事業は2019年3月期で営業利益率1.9%、金額でも二輪事業を下回ってしまいました。現在2025年に向けて経営の立て直しをしている最中です。ここでさらにコロナ禍で営業利益が前年比68%ダウンしてしまいました(汗)。「開発の独立」の名のもとに1960年に設立された本田技術研究所の新車開発部隊も本田技研本社に吸収されてしまいました。

 ですのでコストセンターのF1事業が見直されるのも、企業の収益性を考えると当然のことなのかもしれません。でも企業には社会に対する存在意義があるとワタクシは思うので、株主の方ばかり見てもらってちょっと困ります(笑)。日本には自動車世界最高峰のレースに挑み、そしてかつ企業が必要だとワタクシは思います。

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 しかし別の味方をすれば、F1の宣伝効果をうまく活用していないとも言えるかもしれません。かつてアイルトン・セナはNSXの開発に助言したり、プレリュードのCMに出演したりしていましたが、マックス・フェルスタッペンはシビックタイプRのCMには出演していません。もちろんそれだけじゃありませんけどね。

 第二期F1は1992年に撤退、第三期F1は2008年に撤退、そして第四期は2021年です。当時の世界経済の情勢を重ねてみると、ちょうどバブル崩壊、リーマンショック、そして新型コロナショックが重なると感じているのはワタクシだけでしょうか。つまりホンダはF1参戦を維持したまま経済危機を乗り越える企業体力が無かった、ということになるのでしょうか。

 結局ホンダは勝ちにこだわるあまり巨額の予算を投じる傾向があり、その代わり高いリターン、すなわちリザルが経営から要求されるので、例えば第三期、第四期のような結果が出ない期間が続くと、会社は撤退へ舵を切ってしまうのでは無いでしょうか。ホンダより遥かに収益性の低いルノーであっても低予算ながらF1参戦を継続していることを考えると、ホンダももう少し力を抜いて長期戦で考えてみる必要もあるかもしれません。

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 ところで、ホンダが撤退した後レッドブル、アルファタウリがどうするのか考えてみましょう。ちまたで言われているのは、1.メルセデスから供給を受ける、2.ルノーエンジンに戻る、そして3.レッドブルがホンダPUの知的財産権(IP) を買い取る等ですね。

 まず1.のメルセデス供給は無いでしょう。的に塩を送るようなものです。あるいはトト・ウルフは名将になりたいのでしょうか(笑)。次に2ですが、喧嘩別れしたルノーですから、FIAから強制的に供給指示が出ない限り、ルノーPUの搭載は無いと思います。レッドブルがPUの不正を追求した先にフェラーリから供給を受けることもないでしょう(笑)。

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 実はワタクシが一番興味深いのが、3.のホンダPU買収案です。イギリスのHRDミルトンキーンズをまるごと買収して自社PUとするとか、買い取ったエンジンに「無限」のバッチをあるとか(かつてV10エンジンでそういうことがありました)、ウワサ先行で楽しいですよ(笑)。HRDには現地採用の方が多数在籍しているようなので、その方々がレッドブルへ移籍しても、本田技研のリソースは影響を受けないので、「経営資源の集中」には影響でないと思われます。

 レッドブルとしても、2021年からのバジェットキャップで年間総予算の上限が175億円になるので、いままでかけてきた300億円とも400億円とも言われるお金の行き先としてホンダPU買収は丁度いいのかもしれません。ただ心配なのは買収後のPU開発の問題があります。例えばホンダジェットのジェットエンジンの技術はこれ以上転用してもらえないでしょう。

 しかし実はF1のPUは来年以降徐々に開発の制約を受け、2025年をもって開発が凍結されることになっています。ですので未来永劫無限にPUを開発する必要は無いので、ここで自社PUを持つのも実は良いタイミングなのかもしれません。ホンダもPU開発のロードマップを持っているはずですから誰がやるかはともかく、それを2025年まで粛々とこなして行けば良いわけですからね(笑)。



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