フォードVSフェラーリ [Movie/drama]
最近TVのCMで気になっていた映画「フォードVSフェラーリ」を横浜駅西口の109シネマムービルまで見に行ってきました。19:20からのその日の最終回でしたが、びっくりするほど観客が少なくてやや心配な気持ちになりました(汗)。でもマッド・デイモンとクリスチャン・ベールのダブル主演ですからきっと面白いに違いありません(笑)。
この映画は実話がベースのストーリーですが、この手のレースを題材にした映画ってあまりパットした思い出がありません。強いて言えばジェームス・ハントの半生を描いた「ラッシュ」はライバルでもあり友人でもあったたニキ・ラウダとの関係性が印象的でした。ニキ・ラウダは昨年他界していますね。ご冥福をお祈りします。
でもこの映画はドキュメンタリータッチの描写がやや多めではありますが、十分に映画を楽しめると思います。特に時代考証のリアリティが抜群で、自動車レースが好きな人にはたまらないのは無いでしょうか。かくいうワタクシがそうなんですから(笑)。若き日のリー・アイアコッカ(後のクライスラー社長)がフォードのマーケティング担当として、財政的に不振に陥っていたフェラーリを買収しょうとしたなんて、ドキドキしちゃいますよ(笑)。そこにエンツォ・フェラーリも(もちろん)出演していますけど、サングラスを外しているシーンが多くてワタクシのイメージとはちょっと違いました。
反面、技術的なバックグラウンドはあまり説明がなく、なぜGT40が好調なのか、あるいは不調なのかの技術的な理由は良く分からないまま話が進んでしまうので、モータスポーツファンはやや物足りなく感じるかもしれません。この映画は元々そういった観客層を狙っていないのでしょう。純粋に人間ドラマとして見れば良いわけです。
ところでこの映画のタイトルは「フォードVSフェラーリ」で、常勝フェラーリにル・マン24h耐久レースで優勝するまでのフォードGT40の戦いを描いているわけですけど、フェラーリの存在感がほとんど無いですね(汗)。ストーリの中でラスボスでもなんでも無く、単なるきっかけ(フォードの買収申し出を断る)にしかなっていないのが残念です。フォードとフェラーリ、それぞれのチームの内側をもう少し描いてもらいたかったですね。当時(1960年代後半)はポルシェもそこそこ早かったはずですが、ほとんどサーキット上のエキストラ扱いですよ(笑)。
フォードGT40は英ローラカーズのマーク6をベースに開発された英国車です。元々アメ車じゃありませんが、キャロル・シェルビーのシェルビーアメリカンで製作を請け負うようになってから正真正銘のアメ車になりました。右ハンドルなのは英国車の名残なんでしょうか。しかし美しいデザインですな。とても◯ォードには見えない(笑)。フォードは欧州にもドイツに開発拠点があるので、アメ車なのに欧州車のテイストを感じることがあるんですよね。
主人公ケン・マイルス役のクリスチャン・ベールの修理工としての演技がレーサー役のときよりも光っていると思います。旦那のモータースポーツにかける情熱をよく理解している妻役のカトリーナ・バルフも必見です。モータースポーツが好きな人も知らない人にもぜひとも見てもらいたいですね。オススメです。
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