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「はやぶさ」カプセル帰還 [MOT after Graduation]

はやぶさ.jpg 

 惑星探査衛星「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から6/13深夜、地球に帰還しました!「はやぶさ」とは、「小惑星サンプルリターン計画」の為に開発された人工衛星です。「はやぶさ」は2003年5月にM-Vロケットで打ち上げられた後、2004年5月に地球スイングバイに成功。2005年11月に小惑星「イトカワ」に着陸成功。そこでサンプル収集を行い、2010年6月に、サンプルが収納されたカプセルを切り離してオーストラリアのウーメラ立ち入り制限区域内へ落下させた後、はやぶさ本体は大気圏突入時に燃え尽きて運用を停止しました。もし計画通りにオーストラリアに落下したカプセルにサンプルが入っていたら、世界で初めて月以外からの天体から物体を持ち帰ったことになります(今のところ1mm以上の砂は無いそうです。orz)。

 「はやぶさ」の冒険は苦難の連続でした。 

2003年5月 鹿児島から打ち上げ

2004年5月 地球の重力を利用し加速(地球スイングバイ)

2005年10月 姿勢制御装置2基目故障

2005年11月 イトカワに2度着陸。燃料漏れ、通信一時途絶

2005年12月 再び燃料漏れで通信途絶。科学エンジンすべて故障

2006年1月 地上との交信回復

2006年6月 太陽光圧利用し姿勢制御

2007年2月 イオンエンジン再稼動

2007年4月 帰還に向けて巡航開始

2009年11月 イオンエンジン3基目故障

2010年6月 地球帰還 

 普通なら科学エンジンが全て故障して姿勢制御が不能になったところであきらめるところなのでしょうが、JAXA相模原のメンバーは最後まであきらめずに粘り強く立ち向かっていきました。'09/11にイオンエンジンの3基目が故障したときにはさすがに万事休すかと思ったら、当初から不調で使用していなかったエンジン1号機と2号機を組み合わせて使用する判断したのは驚きですね。というか、地上で試していないにせよ、エンジンを「ニコイチ」にして運転出来る設計になっていたことがもっと驚きですね(笑)。

 ニュースでは「もしものときに備えて対策を打っていた」と報道していました。一応私も製品設計をしていた(汗)ので、その立場でコメントすると、FMEAをしっかりとやったのが、「はやぶさ」の奇跡の生還につながったのだといえるでしょう。「FMEA(Failure Mode and Effect Anarysis)手法とは新製品の設計、製造工程、使用中、どこに、どんな潜在的故障要因があるかを設計段階で摘出し、改善する手法です(日科技連)。」FMEAをやって対策を事前に打っておけば、設計者の想定内である限り、万一不具合が発生しても対応可能というわけです。「はやぶさ」のミッションの場合は、不具合を「未然に」防ぐことはもちろんのこと、不具合が発生したときどう対応していくかも重要なポイントだったのだと思います。

 「はやぶさ」は日本企業が数多く参加しています。6/15付日経新聞朝刊によると、イオンエンジン:NEC、化学エンジン:三菱重工、リチウムイオン電池:古河電池、データの蓄積技術:日立製作所、NEC、通信系:NEC等々、かなりの数にのぼりますね。ただなぜか太陽電池パネルを供給した企業が公表されていません(泣)。システムダウンして、リチウムイオン電池が放電してしまったときに太陽の光を受けて再充電したり、太陽光の圧力を受けて帆船の帆になったりと大活躍だったのになぜ公表されないんでしょうね。

 ↓は「はやぶさ」の大気圏再突入の映像ですNASAが撮影していました。はやぶさの本体は体験突入時に燃え尽きて、サンプルが入っている(はずの)カプセルのみ燃えずに地球に帰還しました。感動的な映像ですよね。

 

BGMは宇宙戦艦ヤマトの「無限に広がる大宇宙」でお願いします♪

 

earth.jpg

 これが「はやぶさ」が最後に撮影した地球の映像です。当初画像修正前の映像だったので、かなり乱れていました。

はやぶさ.jpg

これが修正前の画像です。こちらの方が臨場感がありますよね。

 「はやぶさ2」が計画されているそうですが、どう考えても3,000万円では出来ないと思います>管総理大臣様、蓮舫大臣様、枝野民主党幹事長様(怒)。


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