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TENET [Movie/drama]

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 クリストファーノーラン監督の最新作「TENET」が日本で公開されると聞いて、「勇気を振り絞って」横浜駅西口駅前のムービルまで行ってまいりました(笑)。こちらの作品はIMAXカメラで撮影されているのでIMAXシアターの人気が高いみたいで、109シネマ川崎のIMAXシアターはほぼ満席でした(汗)。と入っても発券率が50%程度なので、客の入りとしては約半分と言うことですね。ちなみにムービルの一番大きなシアター、ムービル1はガラガラでした。でもレイトショーじゃないですよ(笑)。

 本作もクリストファーノーラン監督お得意の「時間ネタ」を存分に披露してくれます。「インセプション」では夢の中、「インターステラ」では相対性理論のウラシマ効果を扱っていましたが、今度は正面から「タイムパラドックス」をノーラン監督独自の視点で描いており、それは「未来から過去へタイムスリップしたとき、自分以外の時間の流れが逆転する、つまり原因の前に結果が起こるように見える」世界です。

 以前、「宇宙のビックバンの膨張期が終わって収縮期になるとエントロピーが減少するので時間の流れが反転する」とどこかで聞いたことがありますが、実はワタクシ、これを素直に理解しておりません。結果が出てから原因に向かう、言い換えると結果に原因を合わせるようなことってかなり不自然なような気がします。そこでノーラン監督が出した結論は、「自分はあくまでも原因→結果で、周りが逆行しているように見える」としました。これならかなり納得です。さすが「ノーラン監督」というべきでしょう。

 でもその前提に立ってみると、いくつか疑問に思うことが出てきます。一旦時間逆行の「TENET」の世界に入ると時間順行の世界で死んでしまっても、どうも影響が無さそうなんですよね(笑)。タイムパラドックスものはバック・トゥ・ザ・フューチャーのように写真から人物が消えたり戻ったりするように、演出に苦心される部分だと思いますが、ノーラン監督はあっさりと切り捨てております(笑)。

 むしろどちらかというと、登場人物が全員、起きてしまった結果に対して原因の辻褄を合わせる作業に終止しているのでタイムパラドックス問題は回避されているかもしれませんね。実はこのあたりが、なぜ未来から過去が攻撃されるのかのヒントになっていますので、みなさんも是非一度劇場に足を運んでみてください。Amazonプライムでやらないかな(笑)。

 ところで本作はSF的な要素以外は、スパイ物を意識しているそうです。なんでも007シリーズを意識しているらしいです。でもワタクシ的には、ストーリー展開の速さ、敵が東欧、さらにモノトーンの映像が多いので、むしろジェイソン・ボーンシリーズを見ている気分になりましたよ(笑)。しかしノーラン監督は地上の白兵戦がお好きなんでしょうか、クライマックスの銃撃戦もかなりの大迫力で、まるで「ダンケルク」のようです。また音楽もドーラン節とも言える、独特なリズム感が緊迫したシーンを盛り上げていますよ。

 映像の逆再生という最も古典的な手法を使って、複雑怪奇なストーリーが作り上げられた本作を是非劇場でご覧ください。オススメです。ワタクシももう一度観に行って答え合わせしようかな(笑)。



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