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自動運転 / 鶴原吉郎 [Books]

自動運転 ライフスタイルから電気自動車まで、すべてを変える破壊的イノベーション

自動運転 ライフスタイルから電気自動車まで、すべてを変える破壊的イノベーション

  • 作者: 鶴原吉郎
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/10/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 最近、自動車メーカー各社がこぞって開発している「自動運転」技術ですが、先日本屋に立ち寄ったら店頭にこの本が置いてあったので、タイムリーな話題でもあるということで購入してみました。この手の本は内容が新しくないと、読んでもほとんど意味が無いことが多いので、出たばかりというのはポイント高いですね。

 この本は、自動運転技術が実用化した未来を示し、次に自動運転化による産業へのインパクト・課題を列挙しています。さらに自動運転技術の現状を説明し、最後に自動運転の普及シナリオを描いています。自動運転に関する文献を初めて読む方でしたら、概要をつかむのには十分な内容だと思いますね。次に読む本は技術文献になると思います。ワタクシが印象に残った著者の主張をまとめると、

・自動運転の行き着く先は、カーシェアリングを発端とする無人タクシーであり、自動車の個人保有台数は今後減少する。無人タクシー用途の場合、稼働率が上がるので、自動車本体のコストはそれほど利用代金に影響しないので、EVのバッテリーが効果でも問題ない。またランニングコストについても、エネルギー生成段階までを考慮に入れても利用効率に優れるEVが適している。CO2の排出量も少ない。

・燃料電池車はインフラ整備、水素タンクの形状に問題がありすぐには普及しない。EVは航続距離に問題があるとされているが、現時点のスマホ用のバッテリー程度のエネルギー密度が実現できれば、従来の倍、400Km以上の航続距離は実現可能である。

・今後自動車はコモディティ化が進み、家電メーカーのように新興国の製品が今後席巻すると言われているが、無人タクシー、すなわち法人用途になれば、品質基準が厳しくなるので、技術蓄積のある先進国が有利である。

・また顧客が利用毎によりニーズに合った車両を選択することになるので、むしろ車種が増えて品種少量生産になる一方、構造のプラットフォーム化による技術のオープン化が進み。自動車メーカー以外の新規参入業者が増加する。

 皆さんはこれを読んでどう思われますか?ちなみにワタクシは著者ではないので、著者の方が伝えたいことをうまく抜出しているかどうかは分かりませんが、個人的にはちょっとEVよりのご発言が多いことと、自動車保有の趣味性をやや否定しているところが気になるところです。

 他は法人無人タクシー向けに、プラットフォーム化によるオープン化が進めば、間違いなく水平分業、すなわちコモディティ化へ移行するのは間違いないと思いますが、いかがでしょう?例えばバッテリーの品質がキモなら、バッテリーだけ日本製にすればいいだけです。スマホのカメラとかがそうですよね。A◯pleのSジョ◯ズがご指名したくらいですから(笑)。

 しかし、自動運転技術を破壊的イノベーションとしていますが、「はじめに」に従来技術は「省エネ技術」ということになっていますねえ(汗)。教科書通りに定義すると、従来技術は人間による「手動運転」、そして破壊的イノベーションが「自動運転」になると思いますがいかがでしょう?(笑)東大の藤本隆宏教授との対談を聞いてみたいと思います。


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