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Boeing B787 Dreamliner-その2(週間東洋経済編) [MOT in School M2]

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 先週号の「週刊東洋経済」で最近の航空業界について扱っていました。私は修論の事例研究で航空機業界を研究していたので、早速購入してみることにしました。実は文献検索をしても、Boeing B787やAIRBUS A380とかの最新機種についての情報は見つけにくく(というか見つけられなかった、汗)、10年前に開発されたBoeing B777の事例が見つかるのがせいぜいでした(泣)。

 Boeing 787は今年の4月、3回目の納期遅延を発表しました。元々は2007年7月8日(英文表記で787の語呂合わせ)を目指して777より1年短い開発日程で立ち上げを計画したのですがやっぱり駄目だったようです(苦笑)。今のところ2009年第3四半期にローンチカスタマーであるANAへ引き渡されるそうです。2年半遅れですね(汗)。

 今回の日程遅延の原因はいろいろと取りざたされているようですが、整理すると以下のようになります。

①B787ではグローバル・アウトソーシングを推進した。B777では全体の79%の開発を担当したBoeingが今回は設計の大半を1st Tier(一次下請け)へ移管して、Boeingはシステムインテグレーターとして参画した。しかし相次ぐ設計変更で、「トラベルワーク」(未完成の状態でのBoeing社納入)が激増し、Boeingがさばききれなくなった。

②B787ではファスナー必要量が減少するとの情報を元に、サプライヤーが設備投資を差し控えた為、必要数量が確保できなかった。

 完成車メーカーが詳細設計を1st Tierへ丸投げすることは、「Design In」と呼ばれています。航空機業界はまさにこれをやろうとしている訳です。航空業界は、開発段階から航空会社をメンバーに入れた、「DBT(Design Built Team)」開発チームを結成しています。B787では「ライフサイクル・プロダクト・チーム」と改名して、開発から就航後の仕様まで航空機のライフサイクル全体まで責任を負うのだそうです。顧客の意見を取り入れながら開発するのなら、ある意味自動車部品業界よりも進んでいるのかなと勝手に思っていましたが、実はそのBoeingが自動車部品業界の後追いをしていたのは私にとって意外な発見なのでした(笑)。

P.S. ちなみにAIRBUS A380の開発が遅れたのは、配線設計をミスったそうです(笑)。でも配線の総延長が約500Kmですって(笑)。

参考文献:

・週刊東洋経済 2008.9.20 [2008] 『激烈!世界の航空機ビジネス ボーイングvs.三菱vs.HONDA』東洋経済新聞社

・日経ビジネス 2008年5月29日号 [2008] 『巻き返しの研究 米ボーイング 現場重視で社風刷新』 日経BP社


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