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Do You Meet the Nicest People on Honda? [MOT after Graduation]

 久しぶりにMOTネタを。飲み会じゃないよ(笑)。実は会社の社内勉強会でなんとワタクシがマーケティングのレクチャーをすることに(大汗)。まだ確定はしていないものの、すでに回避は困難な状況です。そこで慌てたワタクシは何かいい教材は無いかと考えて、思いついたのが「ホンダ」のケースを使ってみるということでした。ちなみに「ケース」という名前の新型車じゃありませんからね(笑)。それにしてもワタクシのMBAのマーケティング成績は極秘機密事項ですよ(爆)。

 MBA/MOTと言えばケースを使った授業は有名ですし、国内では特に慶応大学KBS、海外では総本山ハーバード大学HBSが有名です。ケースって学生や教職者じゃないと購入できないような気がしますが、実は購入できるんです。日本ケースセンターという一般財団法人 貿易研修センターが運営しています。もちろん原文だけでなく和訳されたケースを多数あります。

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 今回はSTPマーケティングに関する部分を解説したかったので、セグメンテーションとポジショニングの勝利と言われている、ホンダスーパーカブの北米進出を扱ったケースにしたわけです。スーパーカブといえば国内では出前バイクで有名ですが、北米では庶民の足として爆発的にヒットしました。しかもこの話、オチがちゃんとあって、当時(1950-60年台)のBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の分析と、その後の聞き取り調査(1980年台)の結果が、結構違っていて、しかもBCGの調査が誤りで大恥をかいたことになっています(笑)。

 BCGによれば、「ホンダは北米進出するに際して入念な市場調査を行い、小型小排気量のマーケットの存在に気づいた。この市場に小型高性能の4ストロークエンジンを搭載したスーパーカブを大規模な量産体制を敷くことで経験曲線効果によりコストを低減させ、北米で新規市場を開拓することに成功した」ことになっています。

 当時競合他社よりも高い技術が必要とされた4ストロークエンジンをいち早く導入し、空前の大ヒットになったホンダスーパーカブは国内需要に応えるために増産につぐ増産を繰り返していました。その姿をBCGは北米向けの差異化技術を持ち込み、圧倒的な生産体制を引くことでコストを引き下げているときっと映ったのでしょうね。

 ところが実際は、最初はハーレーダビットソンの市場にヨーロッパ風のスポーツバイクを売ろうとして大失敗しています。しかもスーパーカブの大ヒットは狙ったものではなく、最初に北米に赴任したホンダ社員が日本から持ち込んだスーパーカブを休日に乗り回していたら、それが目についてようやく小型小排気量の市場があるのに気がついたくらいですから。

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 宣伝を打つにしても、あの有名な「You Meet The Nicest People on Honda」もUCLAの学生コンテストから出たものですしね。でもお陰であの「映画イージーライダーのような荒野を突っ走る革ジャンを着た不良オヤジ」の印象を一掃することが出来たわけです。つまりこのような偶然が重なることによって、新規市場を開拓し、ホンダは北米進出に成功した、とういうのが本当の話のようですね。

 実はホンダのケースは(A)と(B)があって、(A)はBCGの視点、(B)はホンダの視点で書かれています。ワタクシは一応両方購入しましたが、1つ10ページくらいの資料を本が買えるくらいの値段でしたよ(泣)。でも必要なので致し方ないと自分を納得させようとしたのですが、なんと「お試し」が出来ることに後になって気が付きました。しかも全文ですよ。なんだ内容を確認するだけなら、お試しで十分じゃん、というわけでお後がよろしいようで(笑)。

定番の戦略論を疑え、ホンダ米国進出の真実(日経BIZ Gate)

日本ケースセンター


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