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【Case Study】東芝デジタルメディアネットワーク社 2005年-2/7 [MOT after Graduation]

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 WBS在学中に一度は書いてみたいと思っていた、「ケース」を今回書いてみたので今回全8回に渡ってアップロードしたいと思います。「ケース」のテーマは、次世代光ディスクについてです。ソニー他のブルーレイ・ディスクと東芝のHD DVDがポストDVDの座を狙って熾烈な闘いを繰り広げたことを覚えている方は多いでしょう。

 このケースはすべて公に発表されている資料に基づいて作成されています。一部人物の名前は仮名を用いています。またこのケースは特定の企業の優劣を論じるものではありません。今回は第2回目「光ディスク市場」です。

2.光ディスク市場

 1982年にソニーがコンパクトディスクを世に出してから、光ディスクは家庭用映像音楽の記録再生用途やPCの記録媒体として広く普及してきた。さらに1994年にソニーコンピュータエンタテインメントがプレイステーション(PS1)にCD-ROMを採用してからはゲーム機器用途にも進出している。

(1)CE(Consumer Electronics)機器市場

 JEITA(電子情報技術産業協会)【2005】『AV主要品目の世界予測』(図表2)によると、DVD機器の需要は2004年に9000万台を超え、2005年には1億台超える見込みである。国内では録画再生機がVTRからの置き換えで主流となっているのに対して、海外では再生専用機が主流である。この為、DVD機器総需要に対するDVD記録再生機の割合は約15%にとどまる。VTRからDVD記録再生機へ置き換えが進まない要因としては、第一に録画予約をする文化が日本独自のもの、第二に北米ではHDDに録画するセットトップボックスが普及、そして第三に世界的な光ディスクの用途はセルDVDまたはDVDレンタルの再生が主流、等が考えられる。

(2)PC市場

 JEITA【2004】『情報端末装置に関する市場調査報告書』によると、光ディスク装置は2003年に全世界年間出荷台数が2億台を突破して。今後も成長が続く市場と予想されている。DVD装置とCD装置の出荷数量が2004年に逆転して本格的なDVDの普及機を迎えるが、反対にCDは穏やかな減少に転じると予測されている。カテゴリー別ではDVD記録ドライブの進捗が著しく、同カテゴリーの出荷台数を比較すると、2003年の出荷台数は2002年と比較して4倍であった。DVDは記録のフォーマットが、DVD-RAM、DVD-R/RW、そしてDVD+R/RWの5種類もあり、乱立していたが、これらをすべて記録再生できるDVDマルチドライブの登場により、フォーマット統一を待たずに事実上1種類のドライブですべてのフォーマットを記録再生出来るようになったことが、DVDドライブの需要が増加した要因であると考えられる。

(3)家庭用ゲーム機器市場

 社団法人コンピューターエンターティメント協会によると、2004年度の据え置き型ゲーム機器の全世界出荷台数は約2000万台である。野村総研の予測によると、2007年には年間3000万台程度まで成長すると予測されている。 2000年にソニーコンピュータエンタテインメント(SCE)からプレイステーション2(PS2)で光学ドライブとしてDVDを採用した。PS2の販売価格が当時市販されていたDVDプレーヤーよりも安価(メーカー希望小売価格39,800円(税込))だったために「主としてDVDを視聴するためにPS2を購入する顧客」が多数存在した。一方、任天堂はゲームキューブを2001年から販売しているが、独自規格の光学ドライブを採用していた。マイクロソフトのXboxはPC向けのDVD-ROMドライブを採用している。

 

図表2 DVDプレーヤーとDVDレコーダーの世界需要台数予測(出典:JEITA) 

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図表3 世界の光ディスク装置方式別出荷台数実績と予測(出典:JEITA)

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東芝デジタルメディアネットワーク社 2005年 目次

1.2005年5月10日 日本経済新聞朝刊

2.光ディスク市場

3.東芝デジタルメディアネットワーク社

4.次世代光ディスク

5.ソニー株式会社

6.次世代DVDを取り巻く業界(前編)

7.次世代DVDを取り巻く業界(後編)

8.取りうる選択肢


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