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クリステンセン流 企業変革の理論と実践セミナー [MOT after Graduation]

 先日、名著「イノベーションのジレンマ」の原作者、クレイトン・クリステンセン教授に関するセミナーがあると聞いたので、早速行ってみることにしました。実は原作本は余りにも抽象的で難しかったので最後まで読めず、途中で断念したりしておりますが(汗)。そこを噛み砕いて教えくれるだなんてこれ幸い、というわけですよ(笑)。会場は品川でした。主催は翔泳社、協賛は日立製作所、そして講師はインディージャパンの方でした。

 作者のクレイトン・クリステンセン教授は1952年アメリカ合衆国ユタ州生まれ。ボストン・コンサルティンググループを経てハーバードビジネススクールの教授に40才(1992年)で就任、1997年(45才)で「イノベーションのジレンマ」を出版しています。2000年からはコンサル会社のイノサイト社を設立しています。インディージャパンはこのイノサイト社と提携しています。

 著作は「イノベーションのジレンマ」の他に「イノベーションの解」、「イノベーションのDNA」、そして「イノベーション・オブ・ライフ」等があります。なかでも「イノベーションのジレンマ」は、故スティーブ・ジョブズやアマゾンのジェフペゾスも愛読したそうですから驚きですよね。内容も経営戦略論から人材論、そして人生論(?)まで多岐に渡っています。

 経営学の本って一般には過去の事例の説明に終始しているので、これからのことには使えないという話もありますが、クリステンセン教授は事例を収集・パターン化して一般的な法則を導くだけでなく、そのパターンを生み出す深層要因の検証を行って、過去の説明だけでなく未来に応用できる優れた理論の確立にこだわっているのだそうです。

 イノベーションの本質とは、「Something NEW that has IMPACT」すなわちアイディアだけではなく、ビジネスモデルまで設計して世の中にインパクトを与えるものがイノベーションなのだとまたイノベーションのジレンマの教訓は、「成熟市場はいずれ破壊される」ということなのだと冒頭で説明がありました。

 ワタクシは、これは製品改善のペースが顧客の要求よりもメーカーの方が早いからだと考えました。大企業がベンチャーよりも時間的にも性能的にもリードしていても、顧客の期待ペースが遅いので、いずれベンチャーの開発が顧客の期待値に追いつくので、顧客はより安価なベンチャーを選択するようになるわけです。

 大手企業は追いつく前のベンチャーの、低スペックな製品、小さなマーケットを見て参入に躊躇してしまうので、結局ベンチャーにやられてしまうわけですね。それよりも顧客の声を聞いてさらなるハイスペック化に邁進したほうが会社の為である、とつい思ってしまいます。いざ新規事業を始めようとしても、現業に最適化されている組織で新しいい事をやるのは大変な努力と苦労が伴います。

 これ以上書くと、営業妨害にもなりかねないので(汗)この辺りにしようと思いますが、社内で新規事業を立ち上げようとするときの難しさを改めて感じた一日でしたね。

クリステンセン流 企業変革の理論と実践セミナー(翔泳社) 

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

  • 作者: クレイトン・クリステンセン
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本


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