SSブログ

東京大学知的資産新ビジネス塾 第6回 「イノベーターの知財マネジメントとは」-その3 [MOT after Graduation]

 新ビジネス塾第6回「イノベーターの知財マネジメントとは」の第3回目はまとめ編です。

2.まとめ

・東大経済学部 新宅准教授

 GreeとDeNAがなぜ好調なのか、GreeはGoogleへ行って自社のアプリをAndoroidに載せたのが大きい。されに外国人を大量に採用している。ゲームを売るだけでなく、ゲームメーカーが乗りやすいようなオープンなムプラットフォームを売っている。日本がネットゲームで先行したのはガラパゴス携帯のお陰で3Gのインフラが整っていたためだ。次の産業が日本のどの強みを生かしていくのか最初からガチンコ勝負は辛いので日本で生まれた後海外で育つのはいいと思い。それがうまく行かなかったのがiモード。

・東大知的資産研究プロジェクト 小川客員研究員

 外国人から見ると日本のインフラはすごく見えている。海外で日本の製造文化に対するリスペクトは非常に高い。LED照明は日本で普及しているが海外の普及率はまだ日本の1/10である。それを日本では農業・漁業に利用しようとしている。しかし出口が見いだせないでいる。GreeやDeNAは出口が割りとはっきりとしていたのではないか。

・特許庁業務部長 橋本氏

 日本の良さをどう売っていくかについては観光も重要である。英国の3大観光地はロンドン、エジンバラ、そしてグラスゴーだが、グラスゴーはかつて炭鉱の町で観光客が誰もいなかったが文化として復活した。

・経産省大学連携推進課長 中西氏

 日本は人材流動性が低く、企業の中に人材・技術が閉じ込められている。2000年頃のルーセント・テクノロジーの研究上ではメインでない技術は外部でファンドを付けて研究所外でやっていた。失敗したときは本体に戻ってくる仕組みになっている。パロアルト研究上も同じ仕組を採用していた。チェスブロウのオープンイノベーションのアイデアもこういった環境からヒントを得たのだろう。ただしネックは企業のカルチャーである。この話を国内のIT企業にしたら賛同はしたものの、部下が「大企業に入った私がどうしてベンチャーをやらなければならないのか」と言い返されてします。(その会社の)創業者が何を言っていたのか分かっているのだろうか。

・東大先端技術研 妹尾堅一郎教授

 ソニーをやめてグーグルの社長をやった(現在は退職)辻野さんと食事をする機会があった。私が「ソニーをやめた人はどこに行くの?」と聞くと「アップルへ行きます」。「じゃあアップルをやめた人はどこに行くの?」と再度聞くと、「グーグルへ行きます。」「グーグルをやめたら?」「facebookです(笑)」人が集まる場所が時代と共に変わってきている。

 いままでと逆回しをする為にこれからはデザインドリブンだと言いたい。これは商品設計全般を意味し技術を活かすため、あるいは無い技術を開発するため行う。自動販売機をサービスホスピタリティの視点で見ると日本の資産を生かせるのではないか。テクノロジーと融合したらすごいことになる。これをスマートデザインインと呼ぶ。風土は風と土なんだから農業に関する言葉。

 同じやり方でやっても風と土で違うということ。人材育成というのは実は日本が得意な分野。小川先生は「技術伝播」と言っているが、ビジネスモデルの伝搬も始まっている。産業同士が接近してくっついてくるから他の産業にも眼を向けるべき。

・NEC執行役員 江村氏

 アメリカでは新規研究を始めるとき、まずリーダーをリクルートすると、次にリーダーが部下を外からスカウトする。日本では社内の近場でリーダーを調達している。アメリカのベンチャーでも会社を始めてしばらくしてからCFOを入社させている。日本でもリアリティを上げるには同じ仕組が必要。日本人は余り多くを語ら図に仕事を進める(ローテクスト)が、ハイテクストの海外では弱みになっているのではないか。しかしだからといってアメリカのカルチャーをそのまま持ってきてもうまくいかない。

・東大先端研 森川教授

 スタータップベンチャーがうまく行かないのは人材の流動性が少ないからであり、これは企業が通年採用にすれば解決できる。結局それぞれが考えるしか無い。アメリカも政策でやったわけではない。制度は生活がかかっているのでなかなか変えられない。

 大学の教授だけでなく、官僚の方の話も聞けたのでいつもの企業の方の講演とは一味違った話が聞けてよかったと思います。こういう講演会が開けるのが国立大、東大の強みなんでしょうかね(笑)。

東京大学 知的資産経営研究プロジェクト 「新ビジネス塾」 第6回 「イノベーターの知財マネジメントとは」


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0