ストーリーとしての競争戦略/楠木健 [Books]
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
- 作者: 楠木 建
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: 単行本
一橋BS、ICSの教授 楠木健さんは、今から6年ほど前にとある研修に参加したときの講師だったことがあります。その時に語られていた競争戦略が本にまとまったことを最近知って購入して見ることにしました。「ストーリーとしての競争戦略」です。新書で買うと3,000円するのでちょっと躊躇してしまいましたけど、電子書籍なら半額で購入できることに気づいて速攻購入しましたよ(笑)。先日NTTデータの講演会で久しぶりに楠木健さんのお話を聞く機会がありましたけど相変わらず飛ばしていましたね(笑)。新書版でも全部で500ページあるので結局読了するのに2ヶ月かかっちゃいましたね(汗)。
本著には、「順番に読んで欲しい」と書いてありましたが、要点だけ抽出すると、「ストーリーとしての競争戦略」では、「思わず人に話したくような魅力のあるストーリーを持った競争戦略」が良い戦略であるとし、ストーリーは次の「戦略ストーリーの5つのC」で構成されます。
戦略ストーリーの5つのC
・競争優位(Competive Advantage):ストーリーの「結」利益創出の最終的な論理
・コンセプト(Concept):ストーリーの「起」本質的な顧客創造の定義
・構成要素(Components):ストーリーの「承」競合他社との「違い」
SP(戦略的ポジショニング)もしくはOC(組織能力)
・クリティカル・コア(Critical Core):ストーリーの「転」独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
・一貫性(Connectivity):ストーリーの評価基準
ストーリーの強さ(robustness)、ストーリーの太さ(scope)、ストーリーの長さ(expandability)
競争優位は次の式で表現される。
WTP-C=P WTP(Willing To Pay)、C(Cost)、P(Profit)
つまり競争優位を構築するためには、WTPを上げてPを増やすのか、Cを下げてPを増やすのか、あるは無競争(ニッチ)に特化するか、の3つしかない。なお戦略ストーリーの原理原則を次の「戦略ストーリーの骨法10カ条」としてまとめられています。
・戦略ストーリーの骨法10カ条
骨法その1 エンディングから考える
骨法その2 「普通の人々」の本性を直視する
骨法その3 悲観主義で論理を詰める
骨法その4 物事が送る順序にこだわる
骨法その5 過去から未来を構想する
骨法その6 失敗を避けようとしない
骨法その7 「賢者の盲点」を衝く
骨法その8 競合他社に対してオープンに構える
骨法その9 抽象化で本質をつかむ
骨法その10 思わず人に話したくなる話をする
ビジネスモデルを人に語りたくなるほどの完成度にしないと競争には勝ち抜けないと楠木さんは言いたいのかなと個人的には思ってしまいます。しかしクリティカルコアから逆に考える手法は競争戦略を考える上で参考になる部分が多々あると思いますので、実務で是非使ってみたいと思います。
楠木健 ようするにこういうこと(ハーバードビジネスレビュー)
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