中小企業経営革新セミナー@明治大学-その2 [MOT after Graduation]
さて第2講は、明大特命教授の藤巻幸夫さんの講義です。藤巻幸夫さんは上智大学卒業後伊勢丹に入社、カリスマバイヤーとしての地位を築いた後、2000年に伊勢丹を退社、民事再生法の適用を申請した福助の代表取締役に就任してわずか1年で黒字化を達成しています。その後セブンアンドアイ生活研究所へ経て独立、フジマキジャパンの副社長に就任されています。
藤巻さんは、企業にとって重要なものが4つあり、これを4つの法則と呼んでいます。それは、1.Merchandising(商品化)、2.Visual Merchandising、3.Public Relations(PR)、そして4.人、だそうです。この4つを同時平行に実施しているのだそうです。
1.Merchandising
モノを買う理由はなんなのか。色、柄、素材、デザイン、機能、用途、サイズ、価格等で構成されるブランドの表現が重要。売れるモノには理由がある。顧客の視点で考えることが重要。 問屋ではなく最終顧客のことを考える。
2.Visual Merchandising
福助の受付の女性に「今日のストッキングは素敵でしょ」と言わせた。福助のストッキングは社員がはきたいと思うような製品がなかったので、29才の女性をストッキング部の部長に就任させて、顧客の視点に立てるようにした。会社を訪れる人が増えた。仏シトロエンの試乗会では雰囲気作りを重視していたが、国内某社のディーラーでは疲れたサラリーマンが旗を振っている。
3.Public Relations(PR)
出来たものをどうアナウンスするか。blogで発信している。
4.人
社長が暗い会社はダメ。自分がしゃべりするのもダメ。まわりを大切にすることが大事。
その他こんなこともおっしゃっていました。
・Pressure makes diamonds:プレッシャーこそが人を育てる。マーケットからのプレッシャーを失ったときに企業は衰退する。
マーケットは変化するが、それをとらえるのがマーケティング。データはウソをつく。データだけでは潜在ニーズをくみ取れない。
・人事力はインパクト
組織変更は組織を疲弊させる。組織変更は意図しないメッセージが伝わる。人員削減も業務の洗い出しを行うことで実行できた。トップの仕事は決めることと、責任をとること。
・福助を助けようと思った理由
「福助」のブランド、バーバリーのライセンス生産を受注している技術力、そして足袋を伊勢神宮に納めていた。
余りまとまらずにとりとめが無くなっていますが、実際の話もとりとめがないので、ご容赦をいただきたいと思います(笑)。印象に残った言葉は、「マーケットからのプレッシャーを失ったときに企業は衰退する。」 ですね。商品開発を担当する者にとって、決して忘れてはならないことだと肝に銘じていきたいと思います。本当に良い講義を聞くことができました。 ↓は参考図書として参加者に配られたものです。まだ全部読んでいませんが、藤巻さんのお人柄がにじみ出ている良著だと思います。本当に愛すべきキャラだと思いますね(笑)。
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