リケン 柏崎事業所 [MOT in School M1]
春学期のM田先生の「財務会計」のときから習慣で、土曜日の朝横浜駅で「日経新聞」を買うようになりました。駅構内のコンビニ(キオスク?)で買おうとするとたまに売り切れなので、出来るだけ改札を通過する前に購入するようにしています。日経新聞土曜版の「NIKKEIプラス1」に、ノンフィクション作家山根一眞さんが連載されている「デジタルスパイス(2008.1.12)」で新潟県中越沖地震に被災した「リケン」を扱っていました。
「リケン」は自動車のエンジンには不可欠なピストンリングを生産するメーカーですが、国内シェアはなんと60%だそうです。ですからリケン操業停止の影響で国内の自動車メーカーは全て工場の操業を停止せざるを得ませんでした。このリケンの柏崎事業所が被災したときに約9,000種類のピストンリングが生産中であり、操業停止時の仕掛りの状態がそれぞれの製品で異なるわけですから、地震の影響で散乱した設備を元の状態に並べ直すのは人海戦術でなんとかなるかも知れませんが、操業停止前の仕掛状態に戻すのはそう簡単ではないのは容易に想像がつきます。しかし実際は、各自動車メーカーからののべ8,000名の応援を受け、何と1週間で復旧を成し遂げたのです。
その秘密は、生産管理システムのバックアップが埼玉県にある熊谷事業所に保管されていたのだそうです。それをオンラインで柏崎事業所へ転送したところ、すぐに生産開始に成功したのだそうです。発案したのは同社の社長で、新潟県中越地震のときに工場の補強工事と共に、熊谷事業所にバックアップを毎日補完するようにしたのだそうです。ただ単にバックアップを取るだけでなく、地理的に離れている場所②補完するなんて、やっぱり「転ばぬ先の杖」ですね(笑)。
ところで、リケンは「理化学研究所」で大正15年(1926年)に開発されたピストンリングの製造法を事業化する目的で昭和2年(1927年)に設立した会社ですから、元祖MOTと言えるような存在ですね。
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