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僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史/古川享 [Books]


僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史 (NextPublishing)

僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史 (NextPublishing)

  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2015/12/11
  • メディア: Kindle版

 元マイクロソフト社長の古川さんが本を出したと聞いて、速攻でKindleで購入しました。ワタクシは夢中になってあっという間に読み終えてしまいましたが、PC黎明期のマイクロソフト側の立場で書いた本というのは大変貴重だと思いましたよ。古川さんは、アスキー創業者の西和彦さんに誘われてアスキーに入社、その後アスキーがマイクロソフトの代理店契約を解消した時に、マイクロソフトへ移籍、その後社長に就任されています。

 この本を読んでワタクシが一番印象に残ったのは、Googleの20%は業務以外のことをしても良いとか、3Mの15%カルチャーなんてもんじゃなくて、アスキーの場合、8割が遊び、2割が仕事だったそうです。この辺りはアメリカよりも実は日本の方が進んでいたようですね。ただしこのシステムを支えるためには相当優秀な人材が必要なようです。それも学校の成績が優秀だからということではなくて。古川さんも黎明時のアスキーがいかに人材に恵まれていのか述べるのに多くの紙面を割いています。でもアスキーが後のGoogleやfacebookのように世界的な大企業にならなかったんでしょうね。 

 当時の国内のPC業界は、NEC PC-6000やPC-8001シリーズと続いて、NEC PC-9800シリーズが生まれるとか、IBMが独自にDOS/Vを作ってOSで日本語を簡単に扱えるようにしたりとかするわけですが、マイクロソフトは主に技術面よりも利権を主張するために介入していったのが残念な感じですね。ところで、アスキーの最初の収入源が各PCメーカーから受託したマニュアル本の作成だったというのは興味深いですね。続編も出るようなのでこれは心待ちにしたいところです。ところで本編の他にAppendixが残り3割あるっていうのはどういうことなんでしょうね(笑)。国内のパソコン黎明期の出来事を登場人物自らが記述した物語なので、その頃に興味がある方にはオススメです。

『僕が伝えたかったこと、古川 享のパソコン秘史』発刊特別企画(PC Watch) 

者はもっとわがまま言っていい、元マイクロソフト古川享氏からエール(ASCII.jp)


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