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土曜1限「経営と技術」-日本マクドナルドCEO 原田会長講演 [MOT in School M2]

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 土曜1限の「経営と技術」の時間で日本マクドナルドCEOの原田会長が来校して講演をすると聞いて、久しぶりに授業を聴講することにしました。でも昨晩のゼミ飲み後の1限はやっぱりきついっす(泣)。危うく横浜発の湘南新宿ライン乗り遅れるところでした(汗)。

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 原田さんは、HPに入社された後、アップルコンピュータに転身され、日本アップルコンピュータの社長を歴任された後、現在は日本マクドナルドの代表取締役会長兼社長兼CEOを担当されています。つまり、原田さんはアップルのマックとハンバーガーのマックの「2つのマック」の社長を経験されているわけです。 講演の内容は、アップル時代の社長就任時に、iMacの成功を流通改革を含めてどのように成し遂げたのかということと、日本マクドナルドに移ってから、やはり業績が低迷していたマックをどのように立ち直らせたのかとこれからどうするのかと言ったことが中心でした。最初にIT業界(アップルコンピュータ)とファーストフード業界(日本マクドナルド)の比較の説明がありました。

1.Appleでは、成長の鍵が「技術」であるのに対し、マクドナルドは「人」である

2.購入判断時間はAppleでは買い換えサイクルが2-2.5年であるのに対し、マクドナルドは数秒である

3.商品サイクルはAppleが3ヶ月で新製品が出るのに対して、マクドナルドは永久である

 さらにIT業界は複数の企業がいないとビジネスが出来ないに対してマクドナルドは自社のみでビジネスが出来るので、その反面責任も重いとおっしゃっていました。もしこれを事前に知っていたら(社長は)引き受けなかったとのことです(笑)。iMacの成功はAppleの業績回復のきっかけになりましたが、次の様な製品コンセプトがあったのだそうです。1.誰もが使える(簡単な操作性) 2.誰もが買える(低価格) 3.見て欲しくなる(5色展開)。さらに従来40社あった問屋を14社に絞ったり、見込み生産からBTOモデルへ受注方法を変えるなどの流通改革を同時に実行されています。これを着実に実施したのが成功に結びついたわけですね。他にもアップル時代の逸話を聞くことができましたが、その中で興味深かったのは、現在のiPhoneにつながるようなコンセプト(TV+PC+ケータイ)が既に1990年代の初めにはもうあったのだそうです。つまり、iPhoneは20年越しの製品だったわけです。

 次にマクドナルドでおこなった数々の改革のご説明がありました。

1.Made for You - 最新のトースター導入によるL/T短縮で、見込み生産から受注生産への変更

2.¥100マック - 低価格のメニューで新規顧客の開拓

3.地域別価格 - 地域のインセンティブを考慮に入れた価格設定

4.24h営業 - 新規顧客の開拓

5.e-marketing - ケータイクーポンを利用したマーケティング

6.新人事制度 - 店長への1分刻みの残業代支給。

でしたが、これもQ(Quarity)、S(Service)、C(Cleanness)の徹底の上になりたっているとのことでした。これらを見て気づくのは、原田さんが持つIT企業人としてのビジネス感覚をファーストフード業界に持ち込んでいるということです。

 他ににもいろいろな話がありました。一部をご紹介すると、「ブランド価値にはtangible(有形)とintangible(無形)の価値があって、高いブランド価値を持つ企業はintangibleの領域で競争している」。「企業の業績が悪化したときは、リソースを再配分して領域を集中しないと勝てない」。「失敗の分析をするのではなくて成功要因の分析こそが重要、ただしそれにすがっていけない。(成功への)パイプラインを見つけるのが大事」。日頃うまくいっている時には、何故うまくいっているかは余り考えない物です。1980年代に世界最大の技術大国だった日本はその後米国に日本の成功要因を分析され、1990年代にキャッチアップされてしまったのでした。

 原田さんのいる日本マクドナルドはこれからも私たちを期待を超えた、新しい製品やサービスを続々と出していくようです。久しぶりにちょっとマックに立ち寄ってみたいと思いました(笑)。

原田語録を読みたい方は↓がいいかも。

日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

  • 作者: 原田 泳幸
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2008/02/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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